介護職が持つべきロコモの知識

ロコモとは、ロコモティブシンドロームの略語のことです。
ロコモは、筋肉や関節といった運動器の障害により歩行などの移動機能が衰えた状態を指します。
ロコモになると、動きが鈍くなり、要介護状態に陥りやすくなります。
要介護状態の原因の4割近くがロコモだと指摘されているのです。
特に、肥満体型や女性に多い症候群だと言われており、さらに骨粗鬆症や認知症の原因にもなります。
移動機能の低下により、足腰にかかる適度な負担が無くなり、骨が脆くなってしまうのです。
さらに、動きが鈍くなれば、外部刺激を受ける機会も減り、脳が活性化しなくなって、認知症に罹患しやすくなるでしょう。

認知症になると、自分の身体の脆弱さを意識して動きを規制する配慮を失って、不用心に徘徊し始め、転倒のリスクも高まります。
介護職員は、ロコモの危険性を熟知し、利用者にロコモの兆候があれば、直ちに対処しなければなりません。
ロコモの原因は、加齢だけでなく、脳の障害やその他の疾病の可能性もあることから、施設の医療従事者に相談することが不可欠です。

また、ロコモ予防のために、高齢者に適度な運動を促す必要があります。
まず、散歩や買い物に連れ出すなど、できるだけ歩行の機会を増やすことが重要です。
雨の日など外出できない時は、ラジオ体操やストレッチのほか、室内で軽いスクワットや短時間の片足立ちをすると効果的でしょう。
無理なく長期にわたり継続することが大切です。