介護職は、介護予防に関する知識として、身体的フレイルとロコモの関係性について知っておかなければなりません。
身体的フレイルとは、加齢のため身体機能が低下し、要介護の一歩手前に至った状態を指します。
身体的フレイルに陥った高齢者は、そのまま放置するとさらに運動機能が衰えて、ロコモティブシンドロームになる確率が高まるでしょう。
ロコモティブシンドロームは、略してロコモと呼ばれ、歩行など移動が難しい状態を表します。
ロコモは身体的フレイルが更に進んで要介護状態に近付いた段階なのです。
身体的フレイルの段階で、介護予防の措置を施せば、相当期間ロコモに至らずに済むでしょう。
まだ在宅で介護施設に入居しない高齢者にも、身体的フレイル状態になっているケースが多く見られます。
身体的フレイルの段階なら、自力で運動を心がけ、ロコモを回避できるかもしれませんが、一旦ロコモ状態に移行してしまうと、移動が困難になり、他者のサポートがないと回復は難しいでしょう。
したがって、自立生活の可能な高齢者が入居するサービス付き高齢者向け住宅やケアハウスに勤務する介護スタッフは、入居者を観察して、身体的フレイルやロコモの兆候がないかチェックしなければなりません。
介護職員が気付くことにより、早めに介護予防を始められて、健康寿命を延ばせるのです。
介護職に就いたら、要介護者に介護サービスを施すだけでなく、身体的フレイルやロコモの高齢者に介護予防をすることも大切な役割だということを自覚しましょう。